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ChatGPTは計算が苦手!さてどうする?【はじめは誰もが初心者】(02)

前回、5列✕36行の表から、特定行/列を抜き出した表を作るのに、ChatGPTへの1行の指示で可能なことをお示ししました。


今回は、集計(計算)にチャレンジしてみましょう。集計の例として、四半期単位での算術平均値を計算してみましょう。たった3手で試せます。完全無料です。

※今回は、処理スピードを速める為に、表を3列✕12行に縮小しています。

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どうでしょう?結果は出ましたか?それらしい回答をしてくれているとは思いますが、もしあなたがChatGPT3.5を使っているのであれば、恐らく答えは間違えています。それを確認するために、検算をしてもらいましょう。


どうでしょう?一番最後の列が0になっていれば、計算が正しいことになります(0でも正しくないこともあります→<参考1>参照)。私が試した限りでは、ChatGPT3.5の場合は毎回間違え、ChatGPT4は概ね正解するといった状況でした。


ここでは、計算の正しさを証明することが目的ではないので、先に進みますが、どうしても気になってしまう方のために、「ちゃんと検算できるシート」というSpreadsheet(<参考2>参照)をご用意しました(Googleユーザー限定)。


参考まで、ChatGPT3.5の実行結果例はこちらです。検算シートに値を入力した際に、赤セルに変わったところが、異常値です。


そして、ChatGPT4の実行結果例はこちらです。検算シートに値を入力しても、白っぽいままなので、正常です。


さて、つまるところ何が正解なのかと言いますと「計算には道具を使え」ということになります。道具とはここでは、Pythonプログラムとなります。ChatGPT4は自らPythonを書いて実行したと思います。だから正確に計算できました。対してChatGPT3.5は、Python無しに直接計算しました。


例えて言うならば、ChatGPT3.5が暗算で間違えてしまったのに対し、ChatGPT4は計算機(Python)で丁寧に処理して正解を導いた、といったところでしょうか。


なお、実は最近、ChatGPT3.5も道具を使うようになりました。すなわち、難しい計算問題に対しては、Pythonを書くようになったんです(暗算では間違えることを、自認してくれました😅)。但し、ChatGPT4と違って、Python実行環境を持ちません。つまり、ユーザー側でPython実行環境を用意し、出力されたPythonプログラムを、手動で実行しないと結果が出ません。なお、ChatGPT3.5にPythonを書かせてみたい場合は、一つ目の指示(プロンプト)から「制約条件」の1行を削除して、実行してみて下さい。


以上を簡単にまとめてみます。

・生成AIに暗算をさせてしまうと間違えることが多い

・難しい計算の場合には、道具(Python等のプログラム)を使ってもらうと良い

・但し、Python実行環境を持たない生成AI(ChatGPT3.5、Bing Copilot)の場合は、出力されたPythonコードをユーザー自らが実行しなければならない。


なお、「難しい計算」と「平易な計算」の境界はどこにあるかですが、筆者が試した限り、現時点のChatGPT3.5では、3桁と4桁の掛け算(1234✕987=)あたりが限界のようです。


さて、いかがだったでしょうか。生成AIにも得手不得手があり、特に「計算は苦手」という認識が一般的です。ところが、最近になって、Python実行環境という「道具」を得たChatGPT4は、更に頼れる存在になってきました。次々に成長していく生成AIから目が離せません。


なお、もっと多くの演習に触れてみたい方は、こちらの実践演習をお試し下さい。この道10年のプロが厳選した10の演習が含まれています。ぜひご検討下さいm(_ _)m

それではまた次回お会いしましょう。



<参考1>

 検算結果の最終列が0でも、稀に間違えていることがあります。それは、検算の式を「A-(A÷3✕3)=0」としてしまうケースです(Aは「②最高値平均値×3」または「⑤最安値平均値×3」のいずれか)。これは、検算の計算方法を指示通りにやっていないことになり、0となるように検算式を変えてしまっているものと思います。


<参考2>

  1. 利用環境の準備

    1. このリンクを開く ※Googleユーザーしかご利用になれません。Googleアカウントの取得はこちらをご参照ください。

    2. メニューの「ファイル」から「コピーを作成」を選択 ※これにより各自のGoogleDrive内への設置が完了します。「コピー作成」前の段階(共有フォルダ上)では、「閲覧」権限しかありませんので、値の入力はできません。

  2. 利用方法

    1. ChatGPT4からCSV(TSV)をコピーする

    2. 「自由ノート」シートにペーストする

    3. ペースト直後に出るメニューから「テキストを分割する」を選択する

    4. 適切な範囲を選択してコピーする

    5. 「検算シート」の白セルにペーストする

    6. 白セルの下のエリアでチェックする(白セルはOK、赤セルは異常)


<参考3>

 参考まで、ChatGPT以外のLLMサービス、Bing CopilotとGeminiでも上記プロンプトを試してみました。Copilotは、Pythonを使わない暗算であっても、概ね正しい数値(誤差0.01以内が多かった)を計算しました。Geminiは、ChatGPT3.5と同様に、毎回間違えていました。Geminiは最近Python実行環境を具備したので、意図的にPythonを書かせて実行させもしましたが、それでも正解を導くことはできませんでした。但し、これらはあくまで、本記事投稿時時点の状況で、これから変わっていく可能性があります。

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