本記事は以下の方に向けて投稿致しました。
・「Open Interpreter に興味があるけど動かし方がわからない。」
・「Open Interpreter を Google Colab 等で動かしたことがあるけど、WSL (Windows Subsystem for Linux) でも動かしてみたい」
WSL の構築から丁寧に説明致しますので、ぜひご活用頂ければと思います。
前提条件
・環境:Windows 10 Pro ※Windows 11 でも同様の手順で可
・WSL:Ubuntu
・OpenAI:APIキー発行済み
手順① WSLのインストール
以下の流れで、「Windows の機能」の設定画面を開きます。
「window」ボタンをクリック -> 「windows」と入力 -> 「Windows の機能の有効化または無効化」をクリック
設定画面より以下をチェック状態にします。
Hyper-V
Linux 用 Windows サブシステム
仮想マシン プラットフォーム
設定が完了すると、PCの再起動を求められるので、PCを再起動します。
再起動後、PowerShell より以下のコマンドを実行し、wsl がインストールされている事を確認します。
wsl
次に、wsl の既定バージョンを「2」に設定します。
wsl --set-default-version 2
手順② Ubuntu のインストール
以下の流れで、Microsoft Store の画面を表示し、「ubuntu」で検索し
「Ubuntu」をインストールします。
「window」ボタンをクリック -> 「store」と入力 -> 「Microsoft Store」をクリック
インストールが完了したら、以下の流れで Ubuntu を起動します。
「window」ボタンをクリック -> 「ubuntu」と入力 -> 「Ubuntu」をクリック
起動後、以下の情報を設定し、Ubuntu が起動となります。
ユーザ名
パスワード
以下のコマンドにて、Ubuntu のバージョンが確認できます。
cat /etc/os-release
ちなみに、PowerShell で wsl を使用したい場合は以下のコマンドにてログインが可能です。
wsl -d <ディストリビューション名>
手順③ pyenv の導入
以下のコマンドでパッケージマネージャを更新します。
※「sudo」を実行時にパスワードが求められるので、手順②で設定した Ubuntu のパスワードを入力します。
sudo apt update -y
以下のコマンドより、pyenv (Python をインストールするためのツール)を導入するために必要なソフトをインストールします。
sudo apt install build-essential libffi-dev libssl-dev zlib1g-dev liblzma-dev libbz2-dev libreadline-dev libsqlite3-dev libopencv-dev tk-dev git
以下のコマンドより、pyenv をクローンします。
git clone https://github.com/pyenv/pyenv.git ~/.pyenv
以下のコマンドを順に実行し、環境変数を設定していきます。
echo '' >> ~/.bashrc
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bashrc
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
echo 'eval "$(pyenv init --path)"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
設定後、以下のコマンドで pyenv のバージョンを確認できれば、Python のインストールの準備は完了となります。
pyenv --version
手順④ Python のインストール
以下のコマンドで Python のバージョン「3.11.x」のリストを表示します。
※今回インストールするバージョンは「3.11.9」になります。
pyenv install --list | grep 3.11
インストール可能なバージョンを確認し、以下のコマンドで指定のバージョンの Python をインストールします。
※Open Interpreter を使用するには「Python 3.10」以上である必要があります。
pyenv install 3.11.9
インストール後、以下のコマンドで指定のバージョン(3.11.9)を有効化し、正しくバージョンが設定されている事を確認できれば、Python のインストールは無事に完了となります。
pyenv global 3.11.9
python -V
手順⑤ Open Interpreter のライブラリをインストール
以下のコマンドを実行し
Python の Open Interpreter のライブラリーをインストールします。
※数分ほどかかります。
pip freeze <- ライブラリがインストールされていない事を確認
pip install open-interpreter
インストール完了後、以下のコマンドにてインストール及びバージョンを確認できます。
pip freeze | grep interpreter
手順⑥ API キーの設定
Open Interpreter を実行する際に OpenAI の API キーを入力する必要があります。
Open Interpreter を実行をする度に入力するのが面倒な場合、環境変数にて設定を行い、入力を省略する事ができます。
以下のコマンドにて設定が可能です。
echo 'export OPENAI_API_KEY=<API キー>' >> ~/.bashrc
手順⑦ Open Interpreter の実行
以下のコマンドより Open Interpreter を立ち上げます。
※モデルは「gpt-4-turbo」がデフォルトで設定されているようです。
interpreter
問題無く立ち上がったので質問をすると、ちゃんと回答してくれました。
※無駄な改行がされてしまうのは謎ですが。。。
如何だったでしょうか?
Windows で Linux 環境を構築するなど少し複雑だったかもしれませんが、プログラミングやAIに関して初心者の方でも、Open Interpreter を扱える内容であったと思います。
ぜひ、ご参考に頂ければ幸いです。