ローカル環境で構築したLLMをAPIとして公開する方法には、Huggingface+FastAPIやOllamaなどのツールを利用する方法があります。今回は、それらに代わってLocalAIを使用して、LLMをAPIとして公開する方法をご紹介したいと思います。
今回は、GPUの搭載されたマシンでDockerを利用した構築方法をご紹介します。
LocalAIとは
LocalAIは、機械学習モデルをローカル環境で実行するためのフレームワークです。通常、AIモデルのトレーニングや推論はクラウドサービスを利用することが多いですが、LocalAIはこれをローカル環境で行うことができます。これにより、データのプライバシー保護や低遅延の推論が可能となります。
LocalAIは、オープンソースプロジェクトであり、多くの機能やツールを提供しており、開発者が自身の環境でAIモデルを効率的に動作させることをサポートしています。
LocalAIを使うメリット
プライバシー保護: データを外部サーバーに送信することなく、ローカル環境でAIモデルを実行できるため、データのプライバシーを確保できます。
低遅延: クラウドサービスを利用する場合に比べ、データの送受信にかかる時間が削減されるため、リアルタイム性が求められるアプリケーションでの利用が容易です。
コスト削減: クラウドサービスの使用料金を削減できるため、長期的にはコストの削減が期待できます。
柔軟性: ローカル環境での実行により、独自のカスタマイズが容易になります。開発者は自身のニーズに合わせてモデルを調整することが可能です。
環境構築手順
LocalAIの環境構築は比較的簡単で、以下の手順を踏むことでセットアップできます。
docker run -d --restart unless-stopped -p 8080:8080 --gpus all --name local-ai -ti localai/localai:latest-aio-gpu-nvidia-cuda-11
latest-aio-gpu-nvidia-cuda-11の"11"はcudaのバージョンなので、ご自身の環境に合わせて変更してください。
また、上記ではaio(All-in-one image)を指定していますが他にもイメージの種類があるので公式ドキュメントを確認して適したイメージを使用してください(CPU用もあります)。
コンテナ起動後、http://localhost:8080/v1/model にアクセスすることで利用することができます。
活用方法
LocalAIは、さまざまな用途で活用できます。以下にいくつかの具体例を挙げます。
リアルタイム分析: データのリアルタイム分析や予測に使用できます。たとえば、金融市場の動向をリアルタイムで分析し、トレーディングの意思決定をサポートします。
エッジデバイスでの推論: エッジデバイス上での推論により、IoTデバイスなどでの使用が可能です。これにより、ネットワーク遅延を最小限に抑えたデバイス間での迅速な処理が可能になります。
プライバシー重視のアプリケーション: 医療データや個人情報を含むデータの処理において、データの外部漏洩を防ぐためのソリューションとして利用できます。
LocalAIを使用することで、より効率的でプライバシー保護に優れたAIソリューションを実現することができます。是非、LocalAIを活用して新たな可能性を探ってみてください。